精液の量は腎精の盛衰に左右されるのか東洋医学から考えてみた!

精液の量が少ないと不妊の原因になる

不妊の原因はさまざまです。

必ずしも女性の方に不妊の原因があるわけではなく、男性の方に原因があることも。

そんな不妊の原因の一つに、男性の精液の量が少ない、というのがあります。

一般的に、男性の一回の射精における精液の量というのは、スプーン一杯程度だといわれています。

それよりも精液の量が少ないと、精液の中にいる精子の数も少ないということですから、勿論妊娠し難くなります。

つまり、男性にとって精液の量は妊娠に関わる重要な問題なのです。

それでは、精液はどのようにして作られるのでしょうか。

精液の材料となるのは、アルギニンと亜鉛です。

ですから、アルギニンと亜鉛を摂れば、精液の量が増えるか、と言われれば、そうではありません。

精液はこれらの材料をもとにして、精巣の中から分泌されるテストステロンという男性ホルモンが作用して作られるといわれています。

つまり、いくらアルギニンや亜鉛を摂っても、テストステロンの分泌量が少ないと、作られる精液の量は少なくなるのです。

いわば、テストステロンの分泌量が精液の量に大きく関わっているということになります。

テストステロンと腎精について

さて、東洋医学では、このテストステロンとよく似た働きをするものがあります。

それは腎にある腎精です。

腎精とは、人間の活動力や生命力の根本といえる精気で、私たちは父母の腎精の半分ずつを受け継ぐ形で生まれてきます。

腎精は私たちの成長や発育に関わる精気として、そして私たちの生殖に関わる精気として重要な役割を果たします。

男性でいえば、この腎精によって精液が作られると言われています。

ですから、東洋医学では、この腎精が弱いと精液が充分に作られずに、精液の量が少なくなり、不妊に繋がるということになります。

精液の量を増やすために・・・

東洋医学では、腎精は加齢に従いどんどんと消耗されていく、言われています。

これは、加齢に従い、テストステロンの分泌量が少なくなり、作られる精液の量が少なくなるという現代医学の考え方と見事に一致しています。

また、食生活の乱れや睡眠不足などの不摂生や運動不足、過度のストレスによって腎が傷められると腎精が著しく消耗され、腎精は不足するといわれています。

これも、テストステロンの分泌量が減少する原因と一致します。

そして、東洋医学では腎虚といって、セックスやマスターベーションのし過ぎにより腎が傷められ、腎精が著しく消耗するといわれています。

折角、テストステロンの分泌量が多く、精液が作られてもセックスやマスターベーションによって、頻繁に精液が体外に放出されれば、いずれ精液の量は少なくなる、ということですね。

こう考えると、腎精にしてもテストステロンにしても、日常の生活習慣が大切であるということがよくわかります。

最近、精液の量が少なくなったなぁと感じる方。

腎精が著しく消耗するような生活を送っていませんか。

アルギニンや亜鉛などのサプリメントを摂る前に、精液を作り出す腎精やテストステロンが充分に分泌されるように、まずは生活習慣の改善に気をつけましょう。