体毛が濃くなる原因とは
毛深い男性というと、昔は男らしさの象徴だったのですが、最近は女性のみのらず、男性も体毛を気にする人が多い時代。
毛深い男は女性に嫌われると、最近はスキンケアに気を配る男性もいます。
そんな時代ですから、体毛の濃さは、男性にとっての悩みの一つになっているのではないでしょうか。
しかし、東洋医学では、体毛が身体の重要なサインと考えられているのです。
今回は体毛と東洋医学との関係について書いてみようと思います。
そもそも体毛が濃くなる原因は何なのでしょうか。
濃くなる原因には、さまざまなものがありますが、一番の原因はテストステロンという男性ホルモンの影響があると考えられています。
テストステロンが過剰に分泌されると、体毛が濃くなるという仕組みです。
このテストステロンは、いわゆる男性にとっては男らしさを形成するホルモンで、テストステロンが分泌されることで、筋肉質で男らしい体つきになり、精力に満ち溢れ、やる気や向上心、競争心、闘争心といった意欲をかきたててくれる、大変重要なホルモンですが、同時に体毛が濃くなってしまうという作用も持っています。
ですから、昔の人が言ったように、毛深い男性は男らしさの象徴というのは、あながち間違ってはいないということですね。
また、このテストステロンという男性ホルモンは男性だけでなく、女性にも分泌されています。
なので、女性でもテストステロンの分泌が多い人は、体毛が濃くなってしまうのです。
一般的にストレスを過度に感じると、交感神経が刺激され、テストステロンが過剰に分泌されるという性質を持っています。
体毛の気になる方は、テストステロンが過剰に分泌されないよう、ストレスを溜めこみ過ぎない生活を送ることが大切です。
その他、無理なダイエットによる栄養不足、運動不足、寝不足や夜型の生活、喫煙なども体毛が濃くなる原因になるといわれています。
東洋医学では体毛は身体のサイン
さて、そんな体毛ですが、東洋医学では、少し違った見方をしています。
東洋医学では、「肺は皮毛を主る(つかさどる)」といわれています。
皮毛とは、全身の皮膚や体毛のことを指します。
つまり肺の機能によって、皮膚や体毛の潤いが保たれているというわけです。
ここでの肺というのは、東洋医学の概念での肺であって、現代医学の肺とは少し働きが違います。
勿論、東洋医学での肺も呼吸器の働きをしているのですが、それ以外にも衛気(えき)と言って、身体を防衛する気を全身の皮膚に巡らせて、外から入ってこようとする邪気から身を守る働きを肺はしています。
その為に、肺の機能が弱ると、衛気を弱って、外邪が体内に入り込みやすくなります。
風邪が入り込むことで、背筋がゾクゾクしたり、咳やクシャミなど呼吸器の症状が出るのはその為です。
アトピー性皮膚炎など皮膚症状のある人が喘息などの呼吸器疾患を持っているのもその為だと東洋医学では考えられています。
いわば東洋医学での肺は免疫力と関係しているということになります。
体毛も同じく、生まれつき肺や皮膚の弱い人は皮膚を保護する為、体毛が濃くなると東洋医学では考えられています。
また東洋医学では冷え性の人は体毛が濃いともいわれています。
昔の人はよく、乾布摩擦と言って、虚弱体質に人の肌を乾いたタオルなどで直接擦って、体質を強めるという健康法をしていました。
この乾布摩擦も、皮膚を擦って強めることで、衛気を強め、免疫力を強めるという東洋医学に基づいた健康法だといえます。
いかがでしたか。
このように現代ではスキンケアの一つである体毛も、東洋医学では、その人の健康状態を知る身体のサインとなっているのです。