男性の悩みの1つ!痛風は痺症が関係している

男性の悩みの1つ!痛風とは

痛風とは、血中の尿酸値が高くなり、溶けきれなくなった尿酸が結晶化して、関節に溜まることで、関節が炎症を起こす病気です。

痛風は男性が圧倒的に罹る率が高い病気で、実に全痛風患者の98%以上が男性だと言われています。

そういう意味では男性特有の病気だと言っていいでしょう。

「痛風」は、その名が示すように、「風が吹いても痛む」というほど、激しい痛みがある病気です。

症状の初期は、或る日突然、多くは足の付け根が赤く腫れて、激しく痛みます。

痛みは、人によっては骨折と間違ったり、風が少し当たっただけでも激痛が走るくらい激しいものですが、数日から2週間程度で症状が消えてしまうのが特徴です。

数日で症状が消えてしまうので、安心して放置してしまう人が多いのですが、多くの場合放置しておくと1年以内に痛風発作が再発してしまいます。

それを繰り返す内に、段々と発作の間隔が短くなり、足の付け根のみならず、足首や膝の関節にまで痛みが広がっていき、進行すると、関節だけでなく関節の周りや身体の様々な部分に痛風結節と呼ばれる瘤のような腫瘤ができます。

そして酷くなると腎障害を引き起こしたり、尿路結石を引き起こしたりする怖い病気です。

痛風を予防するには

では、痛風を予防するにはどうすれば良いのでしょう。

痛風の予防で大切なのは一つ。

血中の尿酸値を下げることです。

痛風の予防では、よくプリン体の摂取制限が言われていましたが、最近ではプリンタ体を制限しても、痛風の原因である尿酸値を下げる効果はごくわずかで、あまり痛風予防には役に立たないことがわかってきました。

痛風の予防としては、プリン体の摂取制限よりも、糖質と脂肪の摂取を、気をつける方が大切です。

糖質は尿酸の発生を促し、脂肪は尿酸の排泄を低下させるからです。

統計では痛風の人の約6割が肥満の人であることからも分かるように、食べ過ぎなど肥満に繋がるような食生活は避け、バランスの良い食事を心掛けるように気をつけましょう。

また、食事の際、水分をたっぷりとれば、尿の量が増え、尿と一緒に尿酸が体外に排泄されますので、食事と一緒に水分をたっぷりと摂りましょう。

ただ、だからといってビールなどアルコールは痛風に良くありません。

アルコールには尿酸を上げると同時に乳酸を発生させ、尿酸の排出を妨げる働きがあるからです。

痛風の人は、ビールなどのアルコールを控えるようにしましょう。

東洋医学では痛風を痺症とよぶ

東洋医学では、痛風のことを「痺症(ひしょう)」と呼んでいます。

痺症とは、神経痛・関節痛・腰痛など、痛みや痺れを主症状とした病変のことで、東洋医学でいう気血が不足して、巡りが悪くなっていると発症するといわれています。

末梢神経や循環機能の障害・自律神経失調・免疫異常などが関係していると考えられています。

リウマチや変形性関節症、痛風などでみられる病証です。

痺症には、主に、風邪(ふうじゃ)が病症の主体の行痺、寒邪(かんじゃ)が病症の主体の痛痺、湿邪(しつじゃ)が病症の主体の着痺の3つに分類されます。

  • 行痺

全身の関節のあちこちが痛み、痛みが出たり消えたりします。

また、痛む部位が一定せずに移動し、冷房や冷たい風に当たると痛みが酷くなります。

  • 痛痺

冷やすと悪化しますが、温めたり、風呂に入ると痛みが軽減します。

痛みは固定性のはげしい関節痛です。

  • 着痺

身体や四肢が重だるく痛むのが特徴です。

雨の日に症状が悪化し、むくみや関節に水がたまりやすくなります。

痛みは固定性です。

さて、これら痺症の特徴をみると、痛風は痺症のうち、行痺であることがわかります。

漢方や鍼灸の治療でも、行痺の治療に準じて行うことが多いです。

鍼灸治療としては、激しい炎症をともなう痛風の急性期は、主に患部へのハリ治療が有効ですが、痛風結節を伴う慢性期には、ハリよりも、温灸などで、患部を温めてあげるほうが有効とされています。

しかしながら、これはあくまで痛風の痛みに対してのアプローチであって、根本的な痛風治療となると、食生活などの日常生活の摂生が大切になります。