どんな仕組みで身長が伸びるのか
身長の低い男性にとって、自身の低身長は、コンプレックスになり得る切実な悩みです。
そんな身長ですが、東洋医学では腎精の盛衰が関係していて、低身長は腎精の不足から起こる。
と言われればどうでしょうか?
そもそも腎精って何?
聞き慣れない言葉に疑問を感じる人が殆どじゃないでしょうか。
今回は、身長と腎精の関係について、書き進めて行こうと思います。
ヒトは生まれて、大人へと成長するにつれ身長が伸びていきます。
あまりに当たり前過ぎて、普段考えもしない話ですが、一体どんな仕組みで私たちの身長は伸びるのでしょうか。
そもそも身長が伸びるというのは、私たちの足の骨や背骨など、骨が伸びることで起こる現象です。
骨の成長なくしては、身長が伸びるということはありません。
骨には、隣の骨との連結している部分に、「骨端線」という軟骨があって、これが成長することで、身長が伸びるといわれています。
子供の頃は、この骨端性が柔らかく、伸びやすくなっているのですが、成長とともに、骨端線が固くなっていき、大人になると完全に固まって、身長が伸びなくなります。
大人になると身長が伸びなくなるのは、こうした理由があります。
一般的には、男性で15歳、女性で13歳が、身長が伸びるピークといわれており、それ以降は、段々と骨端線が固くなっていくといわれています。
身長が伸びるには成長ホルモンが必要
骨端線が伸びるためには、骨の成長に必要な栄養素のほか、成長ホルモンが大きく関わっているといわれています。
成長ホルモンは、脳下垂体から分泌されるホルモンで、骨の成長を進める、「成長因子」を作ります。
この成長ホルモンが骨端線に働きかけることで、骨端線が伸び、身長が伸びるというわけです。
ですから、身長が伸びないと悩んでいる男の子に対しては、この成長ホルモンの分泌量を増やすことが、身長を伸ばすことに繋がるということになります。
成長ホルモンは、深い睡眠をとっているときに、多く分泌されるといわれています。
反対に眠りが浅いと分泌されにくくなるので、質の良い睡眠を取ることが大切です。
昔から、「寝る子は育つ」と言われるのは、あながち間違いではないということですね。
睡眠の他にも、適度な運動や、骨の成長に必要なタンパク質やカルシウムなどの栄養素をしっかり取ることも大切です。
要は、規則正しい生活を送ることが、身長を伸ばすことに繋がるということです。
東洋医学では、腎精が成長ホルモン
さて、東洋医学にも、成長ホルモンに当たるモノがあります。
それが、冒頭で紹介した腎精というわけです。
腎精とは、東洋医学でいう腎にある精気のことです。
この腎精は、私たちが生まれる時に、父母の腎精の半分ずつを受け継いで生まれてくると考えられています。
腎精は、生命エネルギーや成長エネルギーの源ともいえるモノで、私たちが成長をする為に必要なモノだといえます。
私たちはこの腎精を使って、成長し、発育し、生殖活動を行い、生命活動を維持していくと東洋医学では考えられています。
東洋医学では、「腎は精を蔵し、発育、生殖を主る(つかさどる)」、「腎は骨を主り、髄を生じ、脳に通ず」といわれています。
ここでの精というのは、勿論腎精のことを指します。
つまり、腎精が骨の成長にも大きく関係していると東洋医学では考えられているということです。
腎精が不足すると、子供は成長や発育が妨げられ、大人は老化が進みます。
生殖機能は衰え、身体が虚弱になり、子供は骨の成長が止まり、身長が伸びなくなり、大人は骨が脆くなって、骨粗鬆症になります。
いかがでしたか。
このように、東洋医学では身長は腎精の盛衰が大きく関わっているということがわかります。
東洋医学では、腎精は父母から受け継いだ精であるため、生まれつき腎精の強い人と腎精の弱い人がいると考えられています。
これは、低身長の原因として、遺伝が関係しているという現代医学の見解と一致します。
また、腎精は成長とともに消耗される精気ですが、睡眠不足や食事の不摂生、房事過多(性行為のし過ぎ)、ストレスなどによって、腎精が著しく消耗され、腎精不足になるといわれています。
これもまた、成長期に規則正しい生活を送ることが、身長を伸ばすことに繋がるという現代医学の見解と一致しています。