「スケベ」と「若ハゲ」の関係について
「ハゲはスケベ」と昔からまことしやかにささやかれています。
ですが「スケベはハゲ」とわ言いませんよね。
結論を先に言ってしまえば、「エロいから若ハゲになる」ということはありませんし、オナニー(自慰行為)し過ぎだからといって若ハゲにはなりません。
ですが男性の性である「スケベ」と「若ハゲ」の関係は興味がありますよね。
さあ、2つの関係を見ていきましょう。
髪の成長と若ハゲ
https://www.kao.com/jp/haircare/thining_01.html
髪はタンパク質と多種のビタミンやミネラルを使って毛母細胞でつくられます。
そして髪は、一定の周期で発毛~成長~抜け毛を繰り返します。
これが毛髪サイクルと呼ばれるものです。
若ハゲの原因は、男性ホルモンによってこの毛髪サイクルが乱されることによるところが大きいのです。
特に、ジヒドロテストステロンの影響が大きいのですが、これは男性ホルモンの一種であるテストステロンと5α-リダクターゼという酵素の結びつきにより生成されます。
ですが、毛髪サイクルの乱れは男性ホルモンの多い少ないに関係ありません。
毛乳頭という髪の毛を生み出す毛母細胞の根本のジヒドロテストステロンをキャッチする部分(=受容体)が活発である(感受性が高い)と毛髪サイクルが乱れて薄毛、そして若ハゲとなってしまいます。
男性ホルモンが疑われる理由
http://www.bs-tbs.co.jp/alpha/archive/27.html
確かに、毛髪サイクルを乱すジヒドロテストステロンは男性ホルモンのテストステロンから作られますが、男性ホルモンが疑われるのはそれだけでしょうか?
男性ホルモンが原因と思わせるものにある実験結果があります。
それはアメリカのジョージ・ハミルトン氏の実験で、男性ホルモン(テストステロン)と脱毛の関係を明らかにしようとしたものです。
その結果、次のことがわかりました。
①去勢されて男性ホルモンを作り出せなくなった男性はハゲになることはなく、ハゲが進行中で去勢された人のハゲはそれ以上進行しなかった。
②ハゲが進行中に去勢されて進行が止まっていた人に男性ホルモン(テストステロン)を投与するとハゲが進行した。
③ハゲていなかった人を去勢して、男性ホルモン(テストステロン)を投与してもハゲなかった。
これらのことから、男性ホルモンはハゲの要因の一つであり、別の要因と結びついてハゲることが解りましたが、この”要因の一つ”が誤解されて男性ホルモンだけでハゲになるとなっていったのでしょう。
そして、性力があり男性ホルモンの分泌が多い若者がハゲやすいとなったと思われます。
「エロ」と「若ハゲ」は関係ない
テストステロンは5αリダクターゼと組み合わさって薄毛、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンをつくりますが、体毛などの成長を促す働きがあります。
もちろん、男性らしい体つき(筋肉)や行動(性欲)を促すのも男性ホルモンです。
繰り返しますがジヒドロテストステロンだけではハゲません。
毛母細胞の毛乳頭の感受性と組み合わさってハゲるのです。
ですから「エロい」から「ハゲる」訳ではありません。
昔から「英雄色を好む」とか「ハゲはエロい」とかいわれていますが、お年を召されてハゲていても男性ホルモンの分泌が多くて絶倫の人が目立ったことから「エロいとハゲる」という迷信ができ、それが男性ホルモンの多い若い男性に対する「エロいと若ハゲになる」となったのでしょう。